「正しい日本語」

介護職(男性)が日々感じた事を話す、略して「介男

話」です。

毎回委員会が始まるまでのひまつぶしにコラムを書い

ているのですが、たまには今回みたいに変な回もあり

ます。ひまつぶしにどうぞ♡

委員会が始まるまでの暇つぶしコラム

『正しい日本語』

 今月は接遇向上月間でしたね。皆さんは「最近の若

い人は正しい日本語が使えない!」なんてTVとかで

専門家が嘆いていたりするのを聞いた事ありませんか

?「正しい日本語」って何なのでしょうね。僕は言葉

って時の流れと共に変わっていくものだと思います。

だって身近に「いとおかし」とか「拙者は~」とか話

す人居ますか?時代と共に新しい言葉が生まれ、使わ

れなくなった言葉は消えていくだけなのです。

そんな変わり行く時代の中で、今、まさに消えていき

そうな言葉があるらしい。その言葉とは「い」だ。「

い」が消えかかっているのだ。マクドナルドをマック

と呼ぶように、めんどくさい部分を削ったり、言葉は

省エネ化するのだ。つまり「い」はメンドクサイのだ

。母音の「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」の5つの内、

「ア」と「エ」、「ウ」と「オ」はそれぞれ発音と口

の形が似ている。「部長」は「ぶちょう」でも「ぶち

ょお」でもいけるし、他にも「あし」と「えし」、「

うし」と「おし」はサラッと言えるけど、「いし」だ

けは口先を平べったくする必要があるからテンポが崩

れる。これまで以上に時短と効率を重視する現代人に

おいて、「い」は邪魔なのだ。だから「うまい!!」

と言わず「うま!!」、「いやだ」ではなく「やだ」

というように、「い」は「メンドクサイ」から「メン

ドー」で省エネ化を図り、消されているのだ。その内

結婚式とかでも「ちかいの言葉」じゃなくて「ちけー

の言葉」になって、「すげーやべーなぁ」なんて話し

てたら、日本人全員が「オッス!オラ悟空」みたいに

挨拶する日が来るかも知れない。

 そもそも世界的に見ても日本語は難しすぎる。アル

ファベットの26個に対し、ひらがな・カタカナ各50個

に漢字もあって、文字の種類は膨大だ。さらに「コウ

コウと照らす」「コウコウに通う」「先攻コウコウ」

のように、発音が全く同じでも前後の言葉で意味が変

わったりもする。1ぱい、2はい、3ばいのような「゛

」がつくのか「゜」がつくのかはもう感覚でやってる

所すらある。

言葉の最大の目的は相手に伝える事です。利用者は僕

達にとってサービスの提供対象であり、僕達が生きる

時代を築いてきた先輩であり、さらに、いつどんな事

で死ぬか分からない中で奇跡的に自分より長く生きて

いる年長者であり、それは敬意を抱くには充分な理由

になります。だから利用者には敬意を持っている事を

伝える必要があるのです。それが例え「正しい日本語

」ではなかったとしても、相手に敬意が伝われば不快

な想いをされる事はないでしょう。だから接遇向上月

間で言葉遣いを指導する時、「正しい日本語を」では

なく「相手に敬意を払いましょう」というのが正解な

んじゃないでしょうか。

(おしめー)  

☆おまけ☆

 日本語は難しい。前述の「コウコウ」のような言葉

はたくさんある。でも、そんな難しい日本語だからこ

そ出来る事もある。皆さんはこんな出来事を知ってい

ますか…

 森の中にある小さな教会の結婚式に呼ばれた帰り道

の事。足を滑らせて豪快にこけて、頭をぶつけもがい

ていたんだけど、偶然通りかかったおばぁちゃんは完

全にシカトして行ってしまった。何でもお産で呼ばれ

て急いでいるんだと…

 これは、「転倒無視の産婆」の話…

(おしまい)