誰か、カロリーゼロのフライドチキンを発明して下さい。
と言う事で介護職男(男性)が日々感じた事を話す、略して介男話です。
9月某日、外は雨、たくたくホールで1人外を眺めている利用者がおられた、、。
「今日は雨だね」とそっと横に座る。
「雨やね、子供たちはどうしてるんやろ、、。」と外を見たまま寂しそうにつぶやいた。
「同じ様にお母さんどうしてるのかなぁ~。なんて考えてるんじゃない?」と返すと
「お兄さんはやさしいね」とこっちを向いて少しだけ笑った。
雨はどことなく人を憂鬱にさせる。そうだとしても表情が暗い。
「何かあったの?」
「何も、、。おフロに入れてもうただけ、、。私、おフロ嫌いだから、、。」
この方は昔銭湯で事故により、まだ小さかった子供を亡くされたという事を思い出した。
「今でも思い出す?」僕は話題を変えず踏みこんでみた。
「忘れた事はない、今まではね、、。」
何だか妙な言い回しに違和感を感じ「?」となった僕に
「忘れない様に毎日思い出して毎日悲しい気持ちになってるんや」と続けた
「僕には想像もつかないよ」
「子供はあの子だけじゃないから、、。見てこの時計、娘が買ってくれたんや」
そう言って差し出した彼女の左腕には使い込まれた、
でも大切にしてきたであろう赤い皮のベルトの腕時計がつけられていた。
「ウチは時計屋だったから、時計が大好きなの」そう言って
うれしそうに時計をなでているその笑顔は、何だか子供みたいだった。
「それは一流メーカーの高級品で2億4千万円するから無くさないようにしないとね」と
冗談を言うと、「そやな、絶対に無くさへん」と笑った。
「お兄さん、子供は?」と聞くから
「娘が2人」と答えると
「そう、大切にせなあかんで、子供の世話するなんてアッと言う間に終わる。
気が付いたら子供に世話してもらわなアカンようになってた」そう言って寂しそうな顔をした。
「そんなもんなのかなぁ」と僕が言うと、
「それでも子供は子供、親は親やねん。それが一番困る」
そう言ってまた雨の降る外に目を向けた、、。
大切な人を想う気持ちは時も場所も距離も肉体も状況も全く関係なく、
全く影響を受けずただ純粋に「想う」それだけなんだなぁと教わった気がする。
明日が雨でも晴れでもどっちでも良いやって気持ちになった。
オチもないし、まとめ方も変なのだが、そう思ったのだから仕方がない。
今回はそんな話。